いけばな
いけばなという名称は、江戸時代から用いられた言葉です。江戸時代に生まれた、新しいいけばな様式に生花(しょうか)というのがあり、生花を訓読みでいけばなともいったわけです。花を生命あるものとして生かし飾る意す。いけばな界において今日、最も古い伝統をもち、かつ最大の門弟を擁しているのは池坊です。池坊というのは、元来京都の六角堂で名高い頂法寺内にあった坊の名前で、前に池があった所から池坊と呼ばれました。この池坊のお坊さんの中で花を立てその技が巧みであったのが専慶です。池坊は、この専慶を開祖とします。
池坊のいけばなが、美しい形として人々の心を動かすのは、けっして外形ではなく、形として成り立っている草木の背景、内容を見つめているからとおもわれます。花をいけるという言葉は、花を美しくいかし、いける人も共にいかされていることを意味します。花をいけるとき、花をみつめてひらめく感じを、或いは理想とする美しさを花に探し求め、花に託して表現してこそ、いけばなとなります。
いけばなの発生以来、五00余年にわたるその歴史は、さまざまな様式を生みこんにちにいたりました。池坊のいけばな様式には形式のある立花と生花、創作的で自由な感覚によっていける自由花があります。